2022年10月から開始した『後宮の烏』は幻想的な中華ファンタジー作品!

先日Amazon primeでとあるアニメを視聴し、映像の綺麗さや話の丁寧さに一気見していたので紹介です!

そのアニメは『後宮の烏(からす)』です。

原作:白川紺子さんが描く中華幻想譚で原作である小説は、集英社オレンジ文庫集英社)より2018年4月から2022年4月まで刊行され小説は完結しています。


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あらすじ

後宮の奥深くに住んでいる、妃でありながら夜伽をしない特別な妃・烏妃(うひ)。
その姿を見た者は、老婆であると言う者もいれば、少女だったと言う者もいた。
烏妃の名は寿雪(じゅせつ)。
彼女は不思議な術を使い、呪殺から失せ物さがしまで、何でも引き受けてくれるという。


時の皇帝・高峻(こうしゅん)は、ある依頼のため寿雪の元を訪れる。
二人の巡り合わせは、歴史をも覆す「秘密」を暴くことになる……。
※公式サイトより抜粋

 

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感想

何よりも目を惹くのが、イラストですよね。
最近のアニメって作画コストかけてるな~って思うことが多く、綺麗なイラストは見慣れていると思ってたのですが1話目にして引き込まれましたw

小説は未読なのですが、今のところ『後宮の烏』は
皇帝である高峻の依頼で受け、寿雪がさまざまな怪異に出会いながら、報われない想いや非業の死を遂げた者たちの魂を彼岸に還していく物語でした。

あらすじから謎めいた存在である烏妃。
後宮にどうして烏妃という立場ができたのか、寿雪はなぜ烏妃になったのか、出生とはといった秘密と、皇帝高峻の生い立ちが絡みつつストーリーが進行していきます。

お話自体も淡々と進んでいき、「後宮」と思い描くような妃同士のドロドロした描写は今のところありません。
ドロドロした人間関係や、派手なアクションが苦手な方も安心してみることができます。


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各話の簡単なあらすじ

第1話・第2話:翡翠の耳飾り

夏王朝(かおうちょう)の皇帝・夏高峻(かこうしゅん)は、烏妃の住まう夜明宮へと足を踏み入れる。

翡翠の耳飾りの持ち主を探して欲しい。当の持ち主は既に凄惨な死を遂げており、幽鬼となり果てたその存在を救ってはもらえないか?」
夏高峻の依頼は意外なものだった。

烏妃柳寿雪と、皇帝夏高峻の最初の出会いを描いたお話です。
寿雪は孤独の中で生きてきたので一見冷たい印象を受けますが、食べ物につられる可愛らしい一面もありました。第1話なのでは、主要キャラクターが一気に登場します。名前が聞きなれないので、顔と名前が一致するのに少し時間がかかりました(泣)

第3話:花笛

後宮最上位の妃、花娘(かじょう)が夜明宮にやってきた。
花娘は、花笛がなぜ鳴らなかったのか知りたいという。花笛とは冬の終わり、その年に亡くなった者を弔うため、軒先に吊るしておくものである。

春の訪れを告げる風とともに死者が還ってきて、笛を鳴らすと言われている。花娘は恋人だった欧玄有(おうげんゆう)を亡くした時、笛が鳴らなかったことを気にかけていた。

3話目にして他の妃が出てきました。とてもおしとやかな話し方で、いい人そうな雰囲気満載でした。

今後アニメにも登場する謎めいた神、烏漣娘娘(うれんにゃんにゃん)の存在がここで示されます。

第4話:雲雀公主(ひばりひめ)

夜明宮に雲雀の幽鬼がやってきた。未練があり、楽土へと渡れないらしい。不憫に思った九九(※寿雪に使える侍女)は寿雪に雲雀を救ってほしいとお願いした。

寿雪は雲雀を飼っていた雲雀公主のことを調べる。
どうやら雲雀公主は、母親の身分が低かったがゆえに宮中では冷遇され、食べるものに事欠いていていた様子。彼女はどうして死んだのか。


不遇のうちに亡くなった若き公主の話であると同時に、人と接することに慣れていない寿雪が、はじめての侍女である九九とどう向き合っていいか悩むお話でもあります。
次第に寿雪のまわりに登場人物が増え、見捨てられぬものが増えていき、人とのかかわり方を学んでいっている印象です。

 

第5話:懐刀

高峻の寝所に夜な夜なふたりの幽鬼が現れる。
それが原因で憔悴していく高峻の身を、衛青(えいせい)は案じていた。烏妃に相談してはどうかと勧めるが、他言無用だと口止めされるばかり。

その理由は幽鬼にあった。高峻の母と、親しかった宦官・丁藍(ていらん)だったのである。高峻はふたりの死に対して、自責の念にかられていた。その気持ちを理解しつつも、放っておけない衛青は、寿雪の元を訪ねようとするが--

 

衛青の過去と高峻に忠誠心が高い理由がわかるお話でもあります。
個人的に好きだったのが寿雪と衛青の関係ですね。歯に衣着せぬというか、寿雪に強く指摘してしまい寿雪もそれを反省するというシーンが人間味を感じます。

 

第6話:夏の王、冬の王

皇帝の住まう凝光殿(ぎょうこうでん)の庫(くら)には、幽鬼が身につけていた縞瑪瑙(しまめのう)の玉珮(ぎょくはい)が納められていた。
その持ち主は明珠公主(めいじゅこうしゅ)。欒王朝最後の皇帝の娘であった。

一方、歴史書を紐解き、烏妃の秘密を探し求めていた高峻は、本当の史実が書かれたもう一つの歴史書が存在すること、そしてそれを持っているのは烏妃であると明かされる。

烏妃の成り立ちがわかるエピソードです。
これまでの烏妃や寿雪が抱え込んできた、悩みや逃げることのできない辛さが垣間見えます。
小説を読んでいない私としては、烏漣娘娘のビジュアルがピンと来ていなかったのですが、今回やっと姿が分かりました。
この話を見た後に、もう一回OPを見ることをお勧めします!

 

第7話:玻璃に祈る

前王朝の血を引く冰月(ひょうげつ)と明珠公主は、結婚の約束を果たせないまま戦の中で亡くなった。死後、幽鬼となった冰月は、同じく幽鬼になりさまよう明珠公主を柳の下で見つけたが、呼びかけても反応がない。

その公主を救うため、冰月は楽土へ渡らず留まり続けていたのである。手を尽くしたが公主は呼びかけに応えてくれないままだった。どうすれば公主を救えるのか。寿雪はひとつの仮説を立てていた。

以前のストーリーで出た、柳の花の頃に現れる銀髪の幽鬼に関する話です。
銀髪は前王朝の皇族、欒家のしるし。彼女はどうして楽土に渡ることが出来ないのか。

また「花笛」で登場していた欒冰月の狙いが判明します。
初登場時は、何を考えているか分からないキャラクターでしたが話を見ていると、愛した人を大切に思っているいい人だ!と思わせられる話です。

簡単な登場人物と読み方

中華系の話で一番難しいのは、人の名前だと思っています。
読める名前もありますが読めないのが大半で、この人なんて名前だっけ?と悩んでいると話が進んでいることもあり。。。

もし同じことで悩んでいる人がいましたら、参考までにどうぞ。

<メインキャラクター>
柳寿雪(りゅうじゅせつ):当代の烏妃(うひ)
夏高峻(かこうしゅん):現在の皇帝
衛青(えいせい):高峻に使える宦官
九九(じうじう):寿雪に使える侍女
温螢(おんけい):寿雪の護衛を務める宦官

<第1・2話登場>
班鶯女(はんおうじょ):非業の死を遂げた妃
郭皓(かくこう):班鶯女の許嫁。
蘇紅翹(そこうぎょう):班鶯女の侍女。話すことはできないが烏妃に仕えることに。
星星(シンシン):烏妃を選ぶ金の鶏。

<第3話登場>
雲花娘(うんかじょう):高峻の幼馴染で後宮最上位の妃。
欧玄有(おうげんゆう):花娘の元恋人。故人。
欒冰月(らんひょうげつ):前王朝欒氏の一族
丁藍(ていらん):高峻に仕えていた宦官。皇太后一派により殺害される。

<第4話登場>
雲雀公主(ひばりひめ):先帝の公主。故人
羊十娘(ようじゅうじょう):雲雀公主の元侍女

<第6話登場>
麗娘(れいじょう):先代の烏妃
薛魚泳(せつぎょえい):冬官を務める老人