「葬送(そうそう)のフリーレン」は山田鐘人さんが原作、アベツカサさんが作画の漫画で、週刊少年サンデーで連載中です。
SNSを中心に人気を集めており、マンガ大賞2021も受賞した注目の作品です。
大まかなあらすじ
魔王を倒して王都に戻った勇者ヒンメル、僧侶ハイター、戦士アイゼン、魔法使いフリーレンの4人。
10年間もの長い旅路を終え、それぞれ自分の道を進むと話す彼らだが、勇者パーティーの中で誰よりも長命のエルフであるフリーレンにとって、10年の旅は非常に短いものであった。
そして50年に一度見ることのできる「半世紀エーラ流星」を見た4人は、次回(50年後)も共に見る約束をして勇者パーティは解散した。
50年後、すっかり年老いたヒンメルと再会したフリーレンは、ハイターやアイゼンとも合流し、再び流星群を観賞する。
その後にヒンメルは亡くなるも、彼の葬儀を通してフリーレンは自分がヒンメルについてもっと知ろうとしたら良かったと涙する。その後彼女は、人間を知るために旅に出るのでした。
登場人物紹介
フリーレン
物語の主人公。
エルフで1,000歳超えの偉大な魔法使いだが、見た目は少女。冷静な性格で無表情だが、根は優しく面倒見の良いところもある。
とても優秀な魔法使いだが、日常生活はだらしなく、勇者パーティーでの冒険時は周りの仲間が面倒を見てくれていた。50年後の旅では、途中で出会ったフェルンによってお世話をされることもある。
フェルン
フリーレンの弟子。
勇者パーティーの僧侶(ハイター)が冒険後に拾った人間の少女。南側諸国の戦争孤児だったが、魔法の才能がありフリーレンに預けられた。
真面目で信心深く、師であるフリーレンのことを慕ってはいるものの、だらしのない師匠の世話をよく焼くなど気苦労も多い。
ヒンメル
フリーレンと仲間と共に魔王を倒した勇者であり、人間。
ナルシストで自分のカッコいい像を各地に作らせたり、細かい注文をしていたが、それも長寿で将来一人残されることになるであろうフリーレンのため。
性格は明るく、お人よし。
旅を始める際、王様にため口利いて処刑されそうになる等、回想時にはおもしろエピソードも多い。
ハイター
勇者パーティーの僧侶で人間。
僧侶という役職にいながら、酒が大好きなダメ僧侶。しかし、穏やかで真面目な性格の彼を慕ってる人はたくさんいた。
勇者のヒンメルとは幼馴染で、ヒンメルの死後もかなり長生きしたがフェルンをフリーレンに託して大往生。大のお酒好きだったが、晩年には体調を崩したこともありお酒を絶っていた。
アイゼン
勇者パーティーの戦士でドワーフ。性格は、無骨で不器用で口下手なドワーフ。
人間よりは長生きだが、1000年以上生きるエルフほどではない。フリーレンに再び前線として旅に同行してほしいと頼まれるも、すでに歳でもう戦えないと断る。
勇者パーティー結成当初、ヒンメルとの旅をくだらないと言っていたが、徐々に仲間想いな性格になっていった。
『葬送のフリーレン』のおすすめポイント
①物語のスタートが冒険後からという点
よくあるストーリーは、勇者が魔王を倒すために冒険するという内容ですが、この作品は冒険終了後からのスタートです。
そのため、すでに伝説となった勇者パーティーの思い出話をしたり、昔救った国に行って
こっそりまた救ったり、因縁の相手と出会ったりと一風変わった展開が多くなっています。
感覚としては、ドラゴンクエストなど冒険系ゲームのメインストーリー終了後の外伝を見ているような気分です。中には、時間が経ったことにより勇者パーティーのことを忘れているといったこともあります。
物悲しい気持ちにはなりますが、平和な時代が続くと忘れてしまうのもリアルだと思います。
②主人公がエルフの少女な点
この作品の中でストーリーも変わっていて面白いですが、特徴的なのは主人公がエルフだということです。加えて、勇者ではなく魔法使いの少女。
若い頃に有名になった勇者が、何十年後に再び冒険に出て力や経験で周りを圧倒するのではなく、一人だけ不老の主人公が旅に出て、
様々な出会いと別れをくり返し、過去の冒険から現在はどうなっているのかを知っていきます。その中で昔のパーティーとの楽しかった思い出を思い出したりと、描写が丁寧でとても好きです。
また、女主人公なのでハーレムになったり、優秀な魔法使いなので敵に苦戦することもなく、のんびりと自分達が救った世界を旅していきます。
笑える部分もしんみりする部分も丁度よく描かれて、あっという間に没入してしまいます。